校長室から

避難訓練(火災想定)講評

2025年10月15日 08時27分 [管理者]

 生徒のみなさん、避難訓練お疲れさまでした。

 放送が入ってからの皆さんの行動は、とても迅速で、指示にも落ち着いて従って避難することができました。しかし、これはあくまで訓練です。訓練でできたことが、本番の想定外の状況で本当にできるかどうかが大切です。

 今日、みなさんに強く心に留めておいてほしい言葉は、「自分の命は自分で守る」ということです。

 みなさんの命は、ご家族や先生方にとって何にも代えがたい大切なものです。ですが、火災や地震のような災害が発生したとき、最初に皆さんの命を守れるのは、皆さん自身しかいません。

 「先生の指示を待とう」「友達が動いてからでいい」と思うかもしれませんが、一刻を争う事態では、その一瞬の迷いが命取りになることがあります。

 強い揺れや火災に遭遇したら、まず自分の頭を守り、安全な場所へ身を伏せるなど、反射的に「自助」の行動を取れるように日頃から意識してください。

 煙が充満した場合はどうしますか? 自分の目で状況を判断し、最善の行動を自分で決める勇気を持ってください。

 災害は、訓練のように予告なく、そして皆さんが学校にいない時にも起こり得ます。

 避難訓練は、単に校庭に集まって人数確認をするための行事ではありません。これは、皆さんが「命を守るための練習」です。

 「訓練だから」と油断せず、「もし今、本当に火事が起きたら」という緊張感を持って取り組むことが、皆さんの「防災行動力」を高めます。

 ハンカチを口に当てる、走らない、しゃべらないといった基本のルールは、すべて皆さん自身を危険から遠ざけるための、切実な知恵と教訓です。

 そして、自分の命を守れたその次には、「共助」の意識を持ってください。

 東日本大震災の際、岩手県釜石市の多くの中学生は、自ら率先して避難し、さらに周囲の小さな子どもやお年寄りの手を引いて高台へと導きました。自分の命を大切にするとともに、「助けられる人から助ける人へ」成長していくことも、皆さんには期待されています。

 避難訓練で学んだことは、学校の中に限った話ではありません。皆さんが家族といる時、部活で出かけている時、友達と遊びに出かけている時...。どんな場所でも、どんな時でも、自分の命を守る力は必ず役に立ちます。

 今日の訓練を振り返り、ぜひご家庭でも「もしもの時」について話し合ってみてください。

 これでわたしの話を終わります。

後期始業式のあいさつ

2025年10月14日 09時40分 [管理者]

 皆さん、いよいよ後期がスタートしました。この半年間は、皆さんの学校生活における集大成であり、将来の土台を築く非常に大切な時間です。

 後期を充実させるために、まず「何となく」過ごすのではなく、一つで構いませんから、達成したい明確な目標を立ててください。目標達成に不可欠なのは、先生や誰かに言われるのを待つのではなく、自ら考え、行動する自主性の発揮です。

 そして、その自主性と目標意識が結実する最大の行事が合唱コンクールです。

 合唱コンクールで求められる団結力とは、単に仲良く歌うことではありません。それは、目標に向かって役割を全うする二つの大切な力、すなわちリーダーシップとフォロワーシップが機能することによって生まれます。

 指揮者やパートリーダーが持つリーダーシップは、クラスを引っ張る力です。しかし、そのリーダーを支え、自らも積極的に練習に取り組み、クラス全体の士気を高めるフォロワーシップこそが、団結の鍵となります。誰一人として「お客様」はいません。一人ひとりが責任あるフォロワーとして、あるいは状況に応じたリーダーとして行動するとき、最高のハーモニーが生まれます。

 この合唱コンクールで磨き上げる自主性と団結の経験は、必ずや皆さんの進路実現に向けた大きな自信へと繋がります。最高の後期にしていきましょう。

前期終業式のあいさつ

2025年10月10日 14時22分 [管理者]

 みなさん、こんにちは。

 4月7日の始業式・入学式からほぼ半年が過ぎ、本日、前期の終業式を迎えました。この6か月、ワクワクするような学校生活を送ることができたでしょうか。

 さて、始業式のあいさつでは、次の内容をお話ししました。

 「クラスの友達や部活動の先輩、先生方の話によく耳を傾けてください。思いやりの気持ちもって、互いに助け合いながら、意見を交換しあいましょう。友達と協力・協働しながら、いろいろなことに挑戦していきましょう。失敗を恐れず、繰り返し挑戦しましょう。」とお話ししました。

 この6カ月で、みなさん、随分たくさんのことを経験し、学んできたことと思います。進級・入学したあの日よりも、確実に成長していると思います。が、そんな今の自分が、どこにいて、どんな状況にあるのかを、自分自身でよくわかっていますか。

 今の自分が、どこにいるのかを知るうえで大切なことが「ふりかえり」です。みなさんは、授業中、ことあるごとに「ふりかえり」をおこなってきたことと思います。この「ふりかえり」を行うことで、自分自身の変化を自覚し、新しい知識や技能を得たことを知ります。そんな自分に、誰がどのような形で影響を与えてくれたのかに気がつくはずです。

 今日の終業式は、学校生活の中の一つの節目です。明日から三日間の休みになります。是非、この三日間で、前期の学校生活の「ふりかえり」をしてください。「ふりかえり」のポイントは、自分がどのように良く変わりつつあるかということを考え抜いてみることです。そうすると、それをきっかけに色々なことが頭に浮かび、感謝の気持ちとともに、後期に向けての自分自身の思いや目標が見えてくることと思います。

 10月14日の後期始業式の日。わずか三日間とはいえ、きっと、ほんの少しであっても、今日とは違うみんなに出会うことができると思っています。校舎のあちこちで、元気な挨拶の声が自然と飛び交っているといいなと願っています。

 みなさん、最後まで、話を聞いてくれてありがとうございました。

新人戦部活動壮行会

2025年9月19日 14時40分 [管理者]

 新チームとして臨む初めての公式戦が、あと10日でやってきます。

 今年の夏は、例年よりも気温が高く、とても厳しい環境のなかでの練習だったことでしょう。

 その厳しさに耐え、毎日の努力を積み重ね、心と技と体を鍛え、向上心をもって活動してきたこととと思います。

 各部、それぞれが、チームとしての目標や個人としての目標を定め、練習に励んできました。

 これまでに、自分たちが、日々積み上げてきた努力のひとつひとつを自信にし、試合に臨んできてください。自分を信じ、仲間を信じ、プレッシャーに打ち克ち、正々堂々と戦ってきてください。

 そして、この試合の場に立てることへの感謝の気持ちを忘れずに、精一杯、自分たちの力を発揮してきてください。

 ここにいる生徒及び職員一同、心より応援しております。

 頑張ってきてください。

夏休み明け全校集会あいさつ

2025年9月1日 08時58分 [管理者]

 おはようございます。

 長かった夏休みが終わり、今日から学校がスタートします。一人一人が新たな目標と、決意をもって、登校してくれているかと思います。

 3年生は、いよいよ進路決定の時期がやってきます。あさってには前期の期末試験があります。しっかりと準備し、今やるべきことを行って臨んでください。あせりは禁物です。最後の最後まで、粘り抜いて、必ず志望校の合格を勝ち取ってください。

 2年生は、すでにこの学校の中心であるという自覚をもって生活できていますか。部活動は、新チームでの活動になっています。上級生として部活動を引っ張っていく大変さが分かったのではないでしょうか。暑いグランド、体育館、また校舎の中での活動は大変だったと思います。この夏、いろいろな課題を抱えながらも、精一杯取り組んでくれました。これからの活動での活躍を大いに期待しています。

 1年生は、中学生活に慣れてきたと思いますが、入学当時の目標に変化はありますか。今、将来の目標は明確ですか。それに向かって努力していますか。上級生が頑張っています。先輩と一緒に頑張ってください。また「自分たち1年生が、古河三中の伝統をさらに良いものにするんだ」という気持ちで生活してください。

 さて、夏休みに前の集会では、「いろいろなことにチャレンジして、有意義なものにしてください」とお話したと思います。

 私は、「挑戦」という言葉が好きです。今日は、その「挑戦」についてお話しします。

 皆さんもよく知っているペンギン。ペンギンはどこかに移動するとき、まず群れの中の1匹が動き、その後に残りの群れが従って動くという習性があります。

 南極に暮らすペンギンたちは、海に飛び込んで食料になる魚を捕る必要があります。ところが、海にはシャチやアザラシなど、ペンギンにとっては天敵である肉食獣が、ペンギンを狙って海の中で待っています。「魚は食べたいけど,もしかしたら天敵がいて食べられてしまうかもしれない」。ペンギンは、そうしていつも氷の上で右往左往しています。

 しかし、中には天敵に食べられてしまうかもしれないというリスクを冒して、自分を信じてチャンスをつかもうとする勇気のあるペンギンがいます。それが、「ファーストペンギン」です。アメリカでは、このように勇気をもって未知の世界や仕事に飛び込むことを「ファーストペンギン・スピリット」と言うそうです。

 ファーストペンギンは、天敵に食べられてしまうリスクがありますが、誰よりも先に餌にありつき、お腹いっぱいになるチャンスがあります。それだけでなく、仲間が安心して海に入ることができる状況をつくることで、群れに大きな貢献もできるのです。

 学校での活動や普段の生活でも同じです。何か新しいことに挑戦するときは、ファーストペンギンのように「いくぞ」「やるぞ」といった勇気や覚悟が大事になってきます。自信や勇気がないから発言しなかったり、行動しなかったりする人はたくさんいると思います。でも、何をするに怖がって、最初の一歩を踏み出さなければ、チャンスはつかめません。そして、進歩もありません。

 ぜひ、ファーストペンギンのように、最初の一歩を踏み出せる勇気や覚悟をもって、自分の無限の可能性を引き出し、それを伸ばしていってください。

夏休み前日全校集会

2025年7月18日 10時00分 [管理者]

 はやいもので、今年度が始まり4ヶ月が過ぎようとしています。体育祭、そして、総体市内大会、県西大会、みなさんがたくさん活躍する姿を見ることができました。クラスの友達や部活動の仲間と協力し合いながら、さまざまなことに挑戦し、成長することができたことと思います。

 さて、いよいよ、明日から夏休みです。「夏休み」という言葉には、胸をわくわくさせる響きがあります。約40日間も休みが続くのですから、当然だと思います。

 自分が子どもだった頃の夏休みを思い出してみると、楽しかった思い出とそうでない思い出と両方あります。なぜかというと、夏休みが終わろうとしている時期のことを思い出すからです。皆さんは経験がありますか?宿題に追われる日々・・・。特に、絵日記が宿題にあった小学校低学年の頃は、とても困ったものでした。

 夏休み明け、学校が始まると「今年の夏休み、何もしないまま終わってしまった。」という後悔。そして、「来年こそこんな思いをしないようにしよう。」と思ったものでした。

 夏休みのはじめの頃は、きちんと朝、起きていたのに、そのうち段々とルーズになり、休み前に計画を立てていた宿題や学習も一日、また一日と、先送りするようになってしまいます。やがて、罪悪感よりも楽しみが勝っていくようになる。そういった心の弱さにあるのです。今の私は、心の弱さを完璧に克服することができたかというと、「まだまだできていない。」というのが正直なところです。

 ここで、皆さんにアドバイスです。心の弱さを克服するといった難しい話ではありません。後悔のない夏休みにするためにどうするかということです。その時々は確かに楽しく過ごしいても、何も心に残らないから、つまらないのです。

 この夏休みには、何かひとつ、心に強く残ることをしてみることをお薦めします。このときの条件は「自発的な意志で、普段の日には無理だが、夏休みだからこそできること」です。

 たとえば、パソコンなど、自力で何かを組み立てるとか、または、部活に毎日参加する、腕立て伏せと腹筋を50回ずつ、一日も欠かさずにやるとか、15冊の本を読破するとか。とにかく自分で決めて、自力でやりきる、継続することが大切です。

 自分で決めて、自分でその約束を守り、成し遂げる、何かひとつでもこのようなことがあれば、夏休みは充実したものになるのではないでしょうか。後悔どころか、何年経っても「あの年はこれができた。」と心に残り、自信につながります。

 ぜひチャレンジして、有意義な夏休みを過ごしてください。

 夏休み期間中、感染症等から身を守り、部活動中に熱中症にならないよう、そして交通事故に気を付け、SNS等のルールを守り、過ごしましょう。9月1日には、全員元気な顔で会えるのを心から願っています。私からの話は以上です。

部活動壮行会

2025年6月6日 15時46分 [管理者]

 市内大会まであと5日、いよいよ本番が迫ってきました。昨年度の新人大会以来の公式戦ですが、3年生にとっては上位の大会につながる最も重要な大会です。各部の決意表明で、この大会に向けた思いや意気込みが伝わってきました。

 さて、「悔いのない戦いとか、結果を出す。」というのはそう簡単なことではないと思います。試合の組み合わせや、運や体調にも左右されることもあるかと思います。ただ、1つだけアドバイスをするとすれば「これに勝ったら、ベスト8だ。とか、これに負けたら次がない」とか考えながら戦うのではなく、今、目の前の、次の、一投、一打、一球、一走のことだけ考えて、それに集中してみてください。その中で、これまで練習した成果が、一つでも出せる瞬間があれば、それでいいのだと思います。目の前のことに集中し、全力で戦ってきてください。

 また、大会は勝負ですから、全国優勝する個人やチーム以外は、負けることで引退することになります。みなさんには、できる限り勝ち進んで欲しいと願っています。しかし、部活は、勝敗だけが大切なのではありません。挨拶をすること。靴や荷物をきちんとそろえておくこと。相手チームに敬意を払うこと。仲間を全力で応援すること。後輩を育てること。そんな全てが、みなさんの学びなのだと思います。後輩はそういうところを見て育っていきます。1、2年生の皆さんは、そんな先輩の姿をしっかりみて学んでください。

 3年生のみなさん。ここまでよく頑張りました。この後、県西大会、そして県大会に進む部もあるかと思いますが、この市内大会が、みなさんにとっては、大切な区切りの大会となります。試合に向かう朝、もしくは終わって帰宅したとき、今までの部活動を支えてくれた家族に、自分の言葉できちんと感謝を伝えてください。そのことで、自分の中学時代の部活動にきちんと区切りをつけてください。

 部活が、人生の良い修行の場であったと思えるように引退試合を迎えてほしいと思います。

 みなさんの健闘を全校生徒、教職員で祈っています。

 頑張ってきてください。

生徒総会

2025年5月26日 15時13分 [管理者]

 本校は、開校して今年で42年目を迎えます。教育目標に掲げる「自主的精神」の学校文化が、歴代の卒業生と教職員により脈々と受け継がれており、本校の誇りだと感じています。

 あいさつやノーチャイム、いじめ防止フォーラム等の学校行事や部活動への取り組みなど、生徒一人一人が自主的に考えて、判断して、よりよい活動を自分たちの手で創り上げています。先週行われた体育祭も、「自主的精神」が発揮された素晴らしいものでした。先生たちも、みなさんの意見を最大限尊重し、応援しています。

 一方で、「文化」というものは目に見えません。よき学校文化を受け継ぎ、発展させるためには、一人一人の自覚と努力が必要です。これがなければ、文化はすぐに崩れ衰退してしまいます。よりよい学校に成長していくためには、絶えず新しく変化をし続けていくことも大切です。つまり、果敢に前に進むチャレンジ精神です。

 今の学校の姿に満足することなく、「よりよい学校に成長していくために、自分に何ができるのか?」「もっと充実した学校生活を送るためには、何をしなければならないのか?」ということを、みなさん一人一人が、自分事として真剣に考えてくれることを願っています。

「あなたの国があなたのために何ができるのかを問わないでほしい。あなたがあなたの国のために何ができるのかを問うてほしい。」

 これは、アメリカ合衆国第35代大統領のケネディが就任演説で述べた言葉です。ケネディ大統領は、この言葉で何を伝えたかったのか?ぜひ考えてみてください。

 一人一人が自分なりに考え、一つ一つの着実な行動として実践することにより、古河三中は、さらに素晴らしい学校に成長すると信じています。生徒会本部役員や専門委員会の委員長をリーダーとして、そして生徒全員が同じ気持ちをもってさらなる高みを目指してくれることを心から願っています。

いじめ撲滅全校フォーラム

2025年4月28日 10時28分 [管理者]

 新年度が始まり、3週間が過ぎました。学校生活は充実していますか?新しいクラスにはなれたでしょうか?

 今朝も、みなさんの登校のようすみ見ていましたが、わたしが先にあいさつをしなくても、みなさんの方からあいさつをしてくれるひとがいて、うれしくなりました。

 今日は「いじめ撲滅全校フォーラム」でした。各クラスが宣誓書に署名し、そしてDVDでは、「いじり」と「いじめ」の境目について考える、あらためて「いじめ」について確認しました。

 この後の学校生活の中で、どのような行動や言葉かけを心かげていけばいいのか考えるきっかけになったと思います。

 DVDの最後に、高橋さんが「いじめをノックアウト」するために大事なことを1つ教えてと言われたら、なんて答える?」に対して「本当に「人は1人では生きられない」ってことなんですよね。」と答えていました。

  高橋さんは、この後、次のように話を続けていました。

「やっぱり自分が生きてきて、楽しいなと思う瞬間には、そこには絶対に人がいます。

 だから、1個1個の人との出会いはとても大事です。学校のクラスの中で、仲がいい友達ができるってすごいことだと思うんです。 自分と違う考えをもっている人、いろんな子がいて当たり前。そういう子たちを見たとき「何なんだよ」じゃなくて「面白いな」というふうに思えたら、すごくいいと思うんです。

 人なので好き嫌いとか、合う合わないってあると思うんですけど、私だって大人になっても、いやちょっとこの人苦手だなとか、実際はありますけど、そういう人と出会ったときに、全然自分と違う考えをもっているな、面白いなと思って「人との出会いを楽しんでいる」ので・・・。

 1人じゃやっぱり生きられない、1人じゃつまらないから。

と、述べています。

 みなさん一人一人が、自分事としてとらえ、いつも思いやり・助け合いの心の持ちようで、いじめのない古河三中,笑顔があふれる古河三中にしていきましょう。

対面式

2025年4月9日 08時51分 [管理者]

 1年生のみなさん、中学生としての学校生活2日目。今日は、生徒会主催の対面式、いかがでしたか?少しは緊張がとけましたか?

 さて、今日は、この場を借りて、「ダイヤモンドの4C」について、お話しします。

 ダイヤモンドには、その価値や品質を評価するための国際基準があるそうです。「重さ「色」「透明度」「研磨」の4つです。英語で言うとカラット・カラー・クラリティ・カットとなります。頭文字をとって「ダイヤモンドの4C」と呼ばれているそうです。実は、この4つの中で唯一、人間の手に委ねられているものがあります。

 まず「カラット」。これは、ダイヤモンドの重さのことです。大きさといってもいいでしょう。大きさは人間の手では変えることができるでしょうか?大きな石を小さくすることはできますが、小さな石を大きくすることはできません。「カラット」は人の手では変えることはできません。

 次に「カラー」。ダイヤモンドには黄色がかったものやピンクがかったものなど色のついたものがありますが、無色透明なものほど価値が高いとされています。そこで昔から多くの科学者がダイヤモンドの脱色を試みたそうです。しかし、未だに成功した者はいません。つまり、色も人間の手で自由に操ることはできません。

 「クラリティ」はどうでしょうか。ダイヤモンドは天然の石ですから、気泡や不純物が含まれています。これらはダイヤの輝きの元となる光の透過や反射を妨げてしまいます。取り除くためには石を壊さなくてはなりません。つまり、これについても人の力は及びません。

 最後に「カット」です。原石の形を整え、磨きをかけ、最高の輝きを引き出す工程です。唯一人間の技術に委ねられ、人の手によって価値を高めることができるものです。どんなに大きくても、無職透明で不純物がなくても、磨かなければただの石です。磨くことによってただの石は、ダイヤモンドになるのです。

 人についても同じことがいえるのではないでしょうか。人にはそれぞれ違った個性や能力があります。しかし、どんなに才能があっても、それを発揮しなければ「ない」のと同じです。子どもは「学習」によって、大人は「仕事」によって個性や能力を磨き、自分の価値を高めます。この一年、様々な出会いや体験や学びを通して、自分の能力を引き出し、高めていってください。みなさんひとりひとりが、より強い輝きを放つことを期待しております。